俺の嫁 感想まとめ

さて、私の思いが、どれだけ文章化できるか、自信がないが…。
 
 
まず問おう。
 
理想的な新婚生活とは、どんなものか?
 
何の事件もない。
何のハプニングもない。
ただ、日々が過ぎていくだけ。
 
1つ、普通と違うことを強いてあげるのならば。
あなたの嫁が、

  • 学生時代の恋人の頃の気持ちを薄れさせず、あなたにらぶらぶで
  • 愛情豊かで、献身的で
  • 専業主婦として家事を一手に引き受けてくれている

…ってぐらい。
 
その条件で、理想的な新婚生活をイメージできますか?
 
 
 
 
これの続き。
とりあえず、2人分の嫁編クリアした。
俺の嫁 〜あなただけの花嫁〜(公式)
 
前回も書いたけど、これはゲームじゃない。
いわゆるサウンドノベルとか、デジタルノベルでもない。
 
ファイナルファンタジーの出来損ないのようなゲームかな、と思ったら、ダンジョンがワイヤーフレームウィザードリィだった、という感じか。
ダンジョンに潜って敵を倒すだけ、ストーリーなんかあって無きの如し、もちろんムービーなんかないし、PCは一切喋りません、しかもキャラの名前すら決まっていません、後は好きに妄想しろや、と一切の設定をプレイヤーにぶん投げてきたような……そんぐらい、よくあるギャルゲーと、「あなただけの花嫁」は異なる。
 
多分ねー。やったことないけど、ラブプラスの方が、ずっとずっと、ゲームとして成立してると思うんだよ。
 
一日のイベントが「お風呂に入る前に着替えを用意してよね」「はいはい」という数行の文章で終了とか。
「今日は実家からお肉が届いたので、すきやきだよ」「へー」とか、数行の文章でイベント終了とか。
キスシーン以降は、全画面ピンクでぼかしますが何か、とか。
 
並のギャルゲーだったら、返金ものだよ。
 
けどね。
この短い会話に凝縮された「何か」だけはある。
 
掃除機が動かないと悩んでるけど、コンセント抜けてるだけ、とか。
荷物持ちを頼んどいて、重たそうにしてたら、顔を覗き込んで心配してくる、とか。
 
この、僅かな文章の前後に、他の文章で修飾する必要があるのか。
夫婦ではあるけど、同棲している恋人のような「らぶらぶな会話」が前後に繋がってるに決まっているのに、なぜ、それをオフィシャルが書かなきゃいけないのか。
 
たった一行で、お嬢様育ちが抜け切ってないのが分かる。
たった一言で、普段の無茶振りを、実は気に掛けているのが分かる。
それ以上、何が必要か。
 
決して何かのイベントじゃなくて。
決して人生に関わるようなハプニングじゃなくて。
今わの際でもないと「あぁ、そういう会話もしたかなぁ」と思い出すことも無いような、ほんの僅かで、けど、間違いなく「日常」の一場面で。
そのキャラの個性そのもの。
 
それ以上、何が必要か。
 
ついで言うと。
エンディング直前、「本当に俺と結婚してよかったのか」という問いに、それぞれの嫁が「結婚相手はあなたしかいない」と個性豊かに答えるとことか。
応援モードの一言一言とか。
「やべぇ、マジで凹んでたら、俺、泣いてたかも」という会話もある。
 
 
結局。
ギャルゲーという形で恋人の姿は散々描かれた。
テレビのドラマという形で、波乱万丈・艱難辛苦な結婚生活は散々描かれた。
 
しかし、何もドラマのない、何もハプニングのない、ただ、ただ、続けられる新婚生活の日々。
そんな、どこに需要があるのか意味不明だけど、開けてみたら、確実に需要が存在する、ってものを描いた、このソフト。
 
ゲームとしては残念極まりない出来と言って仕方ない。
会話のシチュエーションのパターンもあまりに少なく、声優を1/3、キャラを半分にして、その分、密度をあげるべきだったのではないかと思うけど。
1/1を誕生日にしたり、正月休みを1/4までにすると、重要イベントが発生しないとか勘弁してくださいよ、とか思うけど!
先日は「ここを目指してきて」「実際に辿り着いている」と表現したけど、目指してきたところは山のふもと、俺たちは花嫁坂を登り始めたばかり、頂は更に上にある! と言うのが現状の感想。
 
このゲームは、間違いなく「突き抜けて」いた。
誰に勧めるつもりもないけど、「なんだこのクソゲー」と嘲笑するお子様が出るだろうから、この文章を書いておきたい。
これから今作もダウンロードコンテンツの展開で補強されるとはいえ、とりあえず、次回作に期待しています。
 
……あと4キャラ、どうしようかなぁ。
とりあえず、愛情度あげないと、1/4のイベントのフラグが建たないことが明確になったので、もう少しやっとくか。
攻略要素なんて、CGを出すだけだもんなぁ……それも大抵はランダム出現という鬼仕様だし(笑)。