ウマ娘 プリティーダービー

 そもそもの話として、ノンフィクションのドキュメンタリーが、フィクションを超えることは、往々にあるものであり。
 現実に起きた悲喜劇をドラマ化したら面白くできるのは当たり前の話でもあり。
 それが、栄光も挫折も兼ね備えた競走馬の物語を、擬人化して演じるのであれば、そりゃー面白くなるだろう、というのが1つ。
 
 とはいえ、そこまでの話であれば、アニメが第二期をやってるので、そっちを見ればいい。
 どのキャラに、どんな運命が待ってるか。
 1990年代の競走馬を元にしているので、そんなのWikipediaでちょっと調べれば分かる話だけど、「ネタバレしてても面白い」というアニメだと思う。
 
 さて、それがゲームになると、趣が変わる。
 「あそこで故障せずに、走り続けることが出来ていたら?」という「IF」の世界が始まる。
 
 ゲーム内容としては、パワプロシリーズのような育成モードが主軸。育てたキャラで、他プレイヤーやNPCとレース勝負するのは、オマケにすら思える。
 育成は、定期的に訪れる課題をクリアできれば育成を継続でき、無事、ストーリークリアまで進むか、課題を達成できないかすると、育成は終わって、対戦用のキャラとして完成してしまう。
 もちろん、ストーリークリアしなければ物語は途中やめになる。のみならず、多くの場合、各課題レースは、1位とった時と、課題はクリアだけどトップではない時、で演出が分岐する。
 
 
 育成にあたってキーはいくつかある。
 まず、育成すべきウマ娘が必要。これは、ガチャで引き当ててくるしかない。
 基本的に、シナリオは各キャラオンリーワンなので、RにはRの、SSRにはSSRの物語がある。
 レアリティの低いキャラも、同じカードを引き続けることで強化できるので、どんなキャラを引いても無駄にはならない。
 
 次にサポートカードが必要だ。これは、育成キャラのトレーニングパートナーのようなもので、高レアなカードは、有用なスキルと、練習効果の向上をもたらす。限られた育成期間を有効利用するには、必要なスキルと、必要な練習効果向上能力のキャラがいる。これもガチャで引いて来ないといけない。
 更に、競走馬らしい、このゲーム独特のシステムとして継承がある。別に、親子関係になる訳ではないが、新規育成キャラは、育成済キャラ2体から継承を受ける(正確には、更にそれらの継承元の4体からも恩恵を受ける)。競走馬は血統、ということから、優秀な育成キャラを作るには、優秀な継承元キャラを作るか、あるいは、フレンドから借りてこないといけない。
 
 ぶっちゃけ、サポートカードと、継承元キャラの準備が整わないと、いくらゲーム中に育成しても、ストーリークリアに繋がるキャラは作れない。
 ここが厄介な話だ。
 
 話によると、短距離レースの得意なキャラを最初に育成するのがいいらしい。「スピード」のパラメータ以外、ある程度無視していいからだ。
 それは聞いていたが、PC版がリリースされたというので、なんとなくダウンロードして、なんとなく始めて、なんとなくガチャから出てきた「ミホノブルボン」を最初の育成キャラとして、ゲームを触ってみる。
 当然、課題はクリアしきれず、ストーリーは途中中断となる。
 
 次に「SSRキャラどれでも狙ったのを引けます。1人だけ」というチケットを使って、ブルボンの話に出てきた「ライスシャワー」を手に入れ、育成してみる。
 当然、課題はクリアしきれず、ストーリーはブルボンより早い段階で途中中断となる。
 
 どっちも、2500mとか、3200mとかの長距離レースで1位を取らねばならない。
 諦めれば、それでストーリーは終わる。

 擬人化がどうの、どの子がかわいいの、とかは二の次とはいいつつも、応援したいキャラがいる事実は否定できない。
 だが、それ以上に「史実通りに活躍させたい」という望み。
 更には……ミホノブルボンは、無敗三冠を期待されていないがら、ライスシャワーに敗れた後、負傷によって競走馬を引退した。ライスシャワーは、ブルボン戦の後、メジロマックイーン天皇賞三連覇を阻止したものの、その後は不遇な競走馬であった …… 「せめて『IF』の世界ぐらい、この子たちの物語を全うさせてやりたい」という願い。

 突き動かすのは、我欲。
 
 しばらく触っているのかなぁ。