口蹄疫の国内再発は秒読み段階か?

割と、記事を並べるだけ、っていうか。
まず去年の末の記事。
 
口蹄疫警報、最高レベルに=家畜47万頭を殺処分−韓国時事ドットコム

【ソウル時事】韓国政府は29日、家畜の伝染病である口蹄(こうてい)疫の拡散に歯止めがかからない非常事態を受け、家畜疾病の警報レベルを「警戒」から最高の「深刻」に引き上げるとともに、関係省庁から成る安全対策本部を設置すると発表した。口蹄疫がさらに広がる恐れがあり、政府レベルの強力な防疫態勢が必要と判断した。
韓国では11月末に南東部の慶尚北道・安東にある養豚農家の豚から口蹄疫が検出された。ただ、簡易検査では陰性だったことから、初期に十分な対策が取られず、家畜し尿処理業者ら人や車両が出入りしていたという。
その後、安東周辺のほか、ソウル首都圏の京畿道や韓牛(韓国産肉牛)の産地として有名な北東部の江原道などでも確認され、韓国北部を中心に被害が拡大。発生源となった安東の豚の感染原因は特定されていないが、海外旅行から帰国した畜産業者を介してウイルスが流入した可能性が指摘されている。
農林水産食品省によると、これまでに殺処分された家畜は牛約6万頭、豚約40万頭など過去最多の47万頭に上る。25日からはワクチン接種に踏み切っている。(2010/12/29-18:23)

 
続いて、今年に入っての記事。
 
口蹄疫感染122か所に、家畜140万頭以上処分聯合ニュース

1月11日(火)13時53分配信
【ソウル11日聯合ニュース】昨年11月28日に慶尚北道・安東で発生した口蹄疫(こうていえき)が全国に広がり、殺処分・埋却された家畜は農家3499戸、140万4426頭に達した。農林水産食品部が11日に明らかにした。
家畜別ではウシが2729戸・11万934頭、ブタが586戸・128万9547頭、ヤギが123戸・2938頭、シカが61戸・1007頭。口蹄疫感染地域は、慶尚北道、仁川市、江原道、京畿道、忠清南道忠清北道の6市・道、51市・郡、122か所となった。
こうしたなか、11日には江原道・華川の韓牛(韓国在来種のウシ)農家(1140頭)、慶尚北道・奉化の養豚農家(1800頭)、江原道・横城の韓牛農家(43頭)で、口蹄疫感染が確認された。
口蹄疫予防ワクチンの接種対象も、農家9万7943戸・211万9472頭に増えた。接種対象地域は8市・道の103市・郡で、地域別ではソウル市が2か所、仁川市が5か所、京畿道が31か所、江原道が18か所、忠清北道が12か所、忠清南道が16か所、忠清北道が6か所、慶尚北道が13か所。
これと関連し、政府は口蹄疫慶尚南道や全羅地域にも拡散した場合、全国でワクチン接種を行うことを慎重に検討していると伝えられた。農林水産食品部関係者は、今週末と来週はじめの拡散状況が重要だと指摘している。政府は口蹄疫が全羅地域に広がることを防ぐため、全羅北道の井邑、金堤、益山、扶安、群山でウシや種豚・母豚のワクチン接種を行っている。
一方、忠清南道・天安、全羅北道・益山で発生した鳥インフルエンザの感染も次第に広がり、首都圏に北上する兆しをみせており、防疫当局が対応に追われている。10日には京畿道・安城の食用カモ農家(2万3000羽)で感染が確認された。
鳥インフルエンザはこれまでに24件の感染疑い届けがあり、このうち10件が陽性、1件が陰性だった。残る13件は現在も精密検査中だ。

 
つまり、韓国全土に拡散しちまった訳だ。
当たり前のように、隣国も感染。
 
北朝鮮でも口蹄疫発生「住民は発病した牛・豚も食べている」中央日報

北朝鮮平壌ピョンヤン)付近で口蹄疫が発生し非常事態になっていることが17日に確認された。
情報当局者は、「韓米の情報分析の結果、最近平壌市付近で口蹄疫が発生し、北朝鮮軍が兵力を投じて主要道路に臨時検問所を設置し検問を強化するなど、住民の移動を最小化している」と伝えた。当局者は、「北朝鮮には口蹄疫防除用の石灰や検疫薬品・装備が不足しており、検疫活動をまともにできずにいると承知している。まだ他の地域に口蹄疫が広がったり鳥インフルエンザが発生した状況はない」と付け加えた。
北朝鮮は2000年代に入り軍部隊で大規模養鶏場と養豚場を運営しており、口蹄疫鳥インフルが広まった場合には軍部隊自体の被害も避けられない。北朝鮮は2003年4月に重症急性呼吸器症候群(SARS)が広まると3カ月余りにわたりすべての国際航空路線と金剛山(クムガンサン)観光を中断するなど外部との接触を遮断した。2005年の鳥インフル流行時は韓国政府に支援を要請し確保した防疫装備と薬品で対処した。北朝鮮口蹄疫拡散防止と関連した外部支援要請や防疫活動に対しては消極的なものと当局は把握している。政府当局者は「北朝鮮はSARSや鳥インフルに比べ口蹄疫に対する警戒は弱い。住民たちは口蹄疫にかかった牛や豚も食べているそうだ」と伝えた。
韓国軍も口蹄疫拡散防止と防疫に総力を注いでいる。軍は昨年11月30日以後、延べ13万人余りと装備1533台を投じた。軍関係者は「南北の軍ともに口蹄疫との戦争を行っていることになる」と話した。
2011.01.18 09:27:30 ⓒ 中央日報/中央日報日本語版

 
で、確か、北朝鮮が武力衝突の兆しを見せてたのも、去年の話だ。
でも、外務省はこんな感じ。
 
「危険情報」扱いに苦慮 朝鮮半島情勢で外務省(産経ニュース)

2010.12.26 16:37
北朝鮮による韓国・延坪島砲撃で朝鮮半島有事が現実味を帯びる中、外務省が韓国への渡航について「危険情報」の扱いに頭を悩ませている。隣国で交流人口が多いため、渡航延期や退避を呼び掛ければ経済面での打撃が避けられず、韓国との関係に影響を与えかねないためだ。
外務省は頻繁に危険情報を出しており、今月20日から24日の5日間だけでもアフリカと南米で計3件も。だが韓国に関しては、砲撃事件が起きた直後に危険情報よりも格下の「スポット情報」を出し、砲撃現場近くの北方限界線(NLL)に近づかないよう注意喚起しただけだ。
外務省幹部は「アフリカや南米など日本人が少ない地域であれば影響は限定的。だが韓国に危険情報を出すと与える影響が大きく、相当な覚悟が必要になる」と地域によって判断の重みが異なることを認めている。

 
……。
 
まぁ、それでも農林水産省は、結構、情報を出してる。
 
口蹄疫に関する情報農林水産省

韓国における口蹄疫の発生状況
韓国における口蹄疫(O型・11月発生事例)の概要(PDF:109KB)(平成23年1月20日)
韓国における口蹄疫の発生状況(PDF:137KB)(平成23年1月20日)
韓国における口蹄疫(O型・4月発生事例)の概要(PDF:240KB)(平成22年6月28日現在)
韓国における口蹄疫(O型)の発生について(PDF:193KB) (平成22年4月9日)
韓国における口蹄疫(A型・1月発生事例)の概要(PDF:89KB) (平成22年3月12日現在)
韓国における口蹄疫の発生について(続報)(PDF:137KB)
韓国における口蹄疫の発生について(PDF:450KB) (平成22年1月8日)

 
だが、国内での危機感はまだまだだ。
 
口蹄疫:韓国で拡大 低い予防意識 県は農家に注意呼びかけ /秋田毎日新聞

牛や豚などがかかり、感染力の非常に強い口蹄(こうてい)疫。宮崎県で猛威を振るい問題になったが、韓国では10年11月以降急速に拡大し、深刻な事態となっている。県は飼育農家に情報提供をするとともに注意を呼びかけているが、国内での注目度は低く予防意識が高まっていないうえ、冬場の積雪地には消毒液シートなど既存の防疫方法が使用できない。飼育農家からは不安の声が上がっている。【野原寛史】
農林水産省によると、韓国では15日現在で南部を除く広い範囲で感染が確認され約4000戸の農家の牛、豚など家畜188万頭が殺処分となった。発生していない南部3道と済州島を含む全国の牛豚約1250万頭へのワクチン接種も決定。同国の場合ワクチンを接種した家畜でもその後陰性であれば食肉にできるが、それでも被害は極めて大きい。
県畜産振興課は韓国での発生を受け、すぐに関係団体や飼育農家に情報提供や防疫対策の啓発を実施してきた。ソウル便が就航している秋田空港などでの靴底消毒の徹底も要請。「万が一家畜に異常があった場合は、速やかに県へ連絡してほしい」と呼びかける。
一方で、雪国ならではの大きな懸念がある。宮崎県で口蹄疫が発生した際、県内の畜産農家は防疫策として飼育場所の周囲などに消石灰を散布し、牧場の入り口には消毒液を染み込ませたシートやじゅうたんを敷いた。
だが冬には消石灰の上に雪が積もり、消毒液も凍結してしまう。由利本荘市で乳牛を飼育している柴田輝男さんは「牛舎前に置いた消毒槽に不凍液を入れて使っているが、そこまでする農家は少ない。他に打つ手がない」と頭を抱え、同課も「冬の発生に備えた防疫手段を考える必要がある」としている。
さらに柴田さんが懸念するのは、宮崎県での発生当時に比べて口蹄疫への危機意識が低いこと。最近も県内の農業関係者が韓国を経由した海外旅行に行ったこともあったという。
柴田さんは「韓国との往来をやめろとは言えない。ただ、県や農協は水際での防疫対策に加え、畜産農家はもちろん県民全体への啓発にもっと力を入れるべきだ。今もし口蹄疫が秋田に入ってくれば、畜産業は壊滅してしまうのでは」と危機感を募らせている。
毎日新聞 2011年1月18日 地方版

 
そんな中。こんな記事が。
 
口蹄疫:宮崎県が安愚楽牧場指導へ 感染通報遅れなどで毎日新聞

家畜伝染病・口蹄疫(こうていえき)の感染拡大に絡み、和牛牧場を全国展開する畜産会社、安愚楽(あぐら)牧場(本社・栃木県)の宮崎県内の大規模農場で通報の遅れなど管理が不適切だったとして、県が家畜伝染病予防法に基づく初の改善指導に乗り出すことが17日分かった。
有識者らで構成する県口蹄疫対策検証委員会(座長・原田隆典宮崎大教授)が14日まとめた最終調査報告書で、同社が同県川南町で725頭を飼育していた第7例農場での通報遅れを指摘した。
口蹄疫は昨年4月20日、同県都農町の繁殖農家で国内で10年ぶりの感染疑いが確認された。県検証委の報告では、第7例農場では4月8日以降、食欲不振の牛が多発。専属獣医師は同22日、複数の牛に発熱やよだれなどの症状を確認したが、ひづめに水疱(すいほう)がなかったため届け出ず、県が立ち入り検査を通告した24日になって届けた。この農場では3月下旬に風邪などの症状を示す牛がいたことも作業日誌で確認されている。
同社の専属獣医師は、この農場を含む13農場の1万数千頭を1人で担当。日常の家畜の健康状態のチェックや薬の投与は一般従業員に任されていた。県畜産課は「従来通りの管理体制では経営再開を認めない。事実を確認し、速やかな改善を求めたい」としている。同社は「故意に通報を遅らせたわけではないが、批判や指導は真摯(しんし)に受け止め、改善したい」とコメントした。【石田宗久】
毎日新聞 2011年1月18日 15時37分

……。
安愚楽牧場
3月下旬に風邪などの症状を示す牛がいた?
4月8日以降、食欲不振の牛が多発?
専属獣医師は複数の牛に発熱やよだれなどの症状を確認したが届け出なかった?
 
それって。
まさにこの話だよね?
 
で、これは、去年の4月のエントリ。
今回宮崎県で発見の口蹄疫ウイルスの感染ルートは?(Sasayama’s Weblog-Watch Analyzer-)

農林水産省は4月23日、最初に見つかった牛から、韓国で今月発生した口蹄疫と同じタイプのO型ウイルスが確認されたと明らかにしました。
また、宮崎の口蹄疫ウイルス(JPN10-AA)と香港の口蹄疫ウイルス(ウイルス名O/HKN/7/2010. O/HKN/8/2010 .O/HKN/13/2010 .O/HKN/14/2010. O/HKN/15/2010 )とウイルスの遺伝子の相同性99.22%であり、韓国の江華島株 (O/Ganghwa/KOR/2010)との相同性98.59%であり、ミャンマーの基準株(O/MYA/7/98)との相同性92.96%であるとしました。

つまり、香港>韓国>>ミャンマー
 
何が言いたいかってーと。
 
危険情報ためらってる場合じゃねぇだろ、政府!