最後の感想

結局、プレイ時間 60時間程度。やりこみ要素追求せずに、とりあえずクリアのみ、ってとこでの感想。
多分、世界樹をこのBlogで取り上げるのは最後になるでしょう。
 
まず、公式Blogのコンセプト。

プレイヤーはキャラクターを産み出し、物語を紡ぐ。ゲームはそれを邪魔せず、ゲームはそれを与えない。

遊んでいる実感を得るための難易度。ゲームにクリアさせて貰うのではなく、自分でクリアする遊び。
全てのシステムは、その実感のために用意されている。失敗は喪失ではなく、失敗は楽しみであるべきだ。
さぁ、強敵に挑んで、そして、打ち破られよう。

迷宮には、ハッキリと視界に映る敵が存在する。我が物顔に樹海を闊歩する権利を持つ、恐るべき強敵。
移動中、そして、戦闘中であろうとも、彼らは襲いかかってくる。樹海で生き残るには、彼らの行動を知らねばならない。

この辺に違和感を感じるプレイヤー。
つまり「ストーリーとかムービーを重視。戦闘はムービーとムービーを繋ぐミニゲームのようなもの」
「初見で倒せないボスなどもっての外、全滅が発生するゲームはゲームバランスの壊れたクソゲー
「すすめー、すすめー、ものどーもー、邪魔なーてきをーけちらしー…あ、この中ボス勝てないや。クソゲー決定」
…などというプレイヤーには絶対にお勧めできない。
 
女神転生シリーズ、特に「3」やってると味わった人も多いと思うんだけど、「頓死 → ゲームオーバー → セーブポイントまで巻き戻り」が比較的簡単に起こる上、「FOE」(移動する固定エンカウント)の存在が難易度を跳ね上げている。
そのエリアに到達した時点では、どう足掻いても勝てない敵と向かい合わされるんだけどが、じゃあ、どうするのか……答えは、「戦闘シーンに引きずり困れないように逃げ回る」っていうんだから……多分、最近のRPGをプレイしている人には、この回答には辿り着けない。「経験値を稼いでレベルをあげてくる」とか言い出しそうだから。
この辺、攻略意識がないと、このゲームのクリアは難しい。
 
で、このゲームの特長とも言うべき、手動マッピングについて。
私は、タッチペンで、マップを埋めていくのが楽しくて仕方なかった。途中、NPCの兵士達の渡してくるマップが、穴だらけで、「なんだこの仕事は」と憤ったりもする。
オートマッピングはEasy仕様として残してもよかったのでは、と思いもするけど、踏破した場所は、表示されてるしマッピング全くなしでも、何とかなるでしょう。
 
経験値稼ぎについては、クエスト攻略やマップ作り、小銭稼ぎの為の材料採集をやってるうちに、道中の敵を倒してれば、勝手にレベルアップしてるほど、苦にならない。
私は終盤、「警戒歩行」を使いすぎてて、経験値不足になってたけど、まぁ、FOEやボスを倒しなおして回ったら、いい感じで稼げたので、特に問題にならず。

個人的には、「サウンドコンポーズ 古代祐三」ってとこが重要なんだけど、そこの贔屓なしで、BGMは良質。
フルオーケストラなら何でもいい、ってんじゃなくて、ちゃんと、ゲームの為のゲーム音源によるゲーム音楽、という点が素晴らしい…サントラ、出ないのかな。買うのに。
 
ただ、悪い点もある。

  • 中断セーブができない。
  • PCのキャラクターグラフィックが、各職業、男女あわせて4人だけ。若者・中年・年寄り、ぐらいの差は欲しかった
  • 戦闘シーンのエフェクトも簡素。スキルレベルを上げて、ダメージが跳ね上がっても、エフェクト変わらず
  • マッピングしようにも、置けるアイコンに個数制限がある。全面ダメージゾーンのフロアがあるのに、記録しきれない
  • セーブ箇所は一箇所だけ。他人にソフトを貸すことは考慮されていない
  • メッセージが舌足らず。クエストが致命的で、どこに行けばいいのか、実質ノーヒントなクエストがある
  • 一部のモンスターが、色違いの使いまわし
  • 職業の中でもメディックが重要すぎる。というのも、回復役が実質メディックしかいないからで、メディックと二択になるような職業を追加べきではなかったのか。
  • 16人しかキャラを作れないのは、9職業+スキルの多様性を考えると、少ないのではないか

 
…色々あるけど。
要するに、ROMカートリッジの容量不足なのよね、これ。
NDSのROMカートリッジが拡張されない限り、次回作が出ても、この辺は改善されないんだろうなぁ、と思ったり。
ただ、NDSには、GBAスロットという拡張ポートがあるのだから、是非、ここをデータポートに利用して欲しい。そうしたら、中断セーブぐらいは出来ただろうに…光栄みたいな「猛将伝」みたいな販売戦略にも付き合いますよ、えぇ。
 
容量不足以外には、多少、ユーザーインターフェースに不満あり。ちこっとストレスを感じました。
 
 
総じて。
世界樹の迷宮は名作として、改めて歴史に残るゲームだと思う。
「3DダンジョンRPGと言うものをゲームジャンルとして蘇らせたい」という願いは、かなわないかもしれない。
世界樹の迷宮ほどの品質でなければ、3DダンジョンRPGが現代に通用するとは思えないから。
 
でも、「美しい映像とムービーがあれば、良作RPGではない」と日頃から言ってる人にこそ、やってもらいたいゲームです。
このゲームは、もっと「ゲームがゲームらしかった時代」を正しく受け継いだゲームだから。