歌はいいねぇ

昨日のシンポジウムのエントリーを探してたら、ちょっと、違う話にぶつかったので。
珍しくトラックバックを送ってみる。
 
ニコニコ動画は違法だとかいってないで現実見なさいよ(山に生きる)
 
多分、言葉足りないから、あるいは、発想があまりにとんでもないというか、理想論に過ぎたから、コメント欄に速攻で反論が出てるけど。

今グレーゾーン扱いのものを全部白黒きれいにどちらかに
収めて綺麗なニコニコ動画にしたいの?
まさかグレーも黒も全て白扱いにしろって言ってるわけじゃ
ないよね?

……私も、理想論をぶちまけてみる。
昨日のシンポジウムから一晩経って、ちょっと考えがまとまった。
 
「違法サイトからのダウンロードを止める」。
これって、みんなが幸せになるための、目的なの?
 
もちろん違う。
それは、手段。 目的を達成する為の方法論の一つに過ぎない。
 
本当の目的って、「著作者に如何にして幸せを還元するか」ですよ。
クリエイターに敬意と感謝を。それが、根源ですよ。
 
だから、ニコ動への無許可UPが、白だとか黒だとかグレイだとか言ってるようでは、JASRACよりも、角川氏よりも時代遅れと言わざるを得ない。
究極的には、法律なんてどうでもいい。JASRACも角川氏も、結局、腹の中はそういうことなんだ。
 
私もここの話は同じ。クリエイターに「何か」が還元されれば、それでいい。法律だって手段に過ぎない。
で、この「何か」ってのが、クリエイターによって、望むものが違ったりするので、これがまたややこしいんだけど。
 
ああ、誤解される前に。
「『ダウンロード違法化』阻止、まだチャンスある」――MIAUがシンポジウム ITmedia岡田有花

「ダウンロード違法化」が主な“ターゲット”にしているのは、(1)違法着うたサイト、(2)P2Pファイル交換ソフトの2つだ。権利者団体などはこれらによって多大な経済的不利益を被っていると主張している。
池田さんは特に(2)について反論する。「ファイル交換ソフトのよる経済的な影響についての実証研究はいくつもあるが、マイナス影響があると結論づけた研究は、私が知っている限り、ない」
米国の権威ある雑誌に、ハーバードビジネススクール教授のFelix Oberholzer-Geeらが今年発表した論文では「ファイル交換ソフトによる売り上げに対する打撃と、ファイル交換で広まることによる宣伝効果はほぼ同じで、異なる場合もプラスマイナス数%の範囲にとどまる」という結果が出たという。

てことで、「違法サイトがあっても、業界的には毒にも薬にもならねぇ」という研究しか見当たらない、ってのには、言及しておきます。
黒を狩ったら業界は反映する? とんでもない! って話。それが昨日のシンポジウムの流れですよ。
これで、なお「盗人猛々しい」とか言うのなら、「取らぬ狸の皮算用もいい加減にしてほしい」と返すしかない。是非、「大損害です!」って研究を引っ張り出してきて欲しい。私も本心から見てみたい。
ちなみに、私から皮算用の例を挙げておきます。
「違法着うた・着うたフル」は正式配信数を上回る──日本レコード協会調査ITmedia
 
 
極論だけどさ。
音楽業界、全部潰れちゃえよ。
正確には、この世から、アーティストの作った音楽を流通させる機関を全滅させちゃえよ。
「インターネットで違法アップロードが多すぎるので、JASRACは、著作権管理を全部やめます。音楽出版社は、CDなんて作りません。あとは、ストリーミングで細々と必死になって楽曲探してください。クリエイター、飢え死ねー、ケケケケケ」とか言って、いなくなっちゃえよ。
 
それで、歌手が全滅する?
それで音楽のない世界が来る?
 
来ないね!
かつて、インターネットも、音楽業界も、何もなくても、人がいれば音楽は存在したんだから。
 
優れた歌は必ず人をひきつける。
インターネットがある以上、音楽は空気の振動の速度、即ち、音速なんかを、あっさりぶっちぎって広がっていく。
そしたら、「いい歌だ。金を払ってやろう」という、物好きにぶち当たる可能性は決して低くないだろう。
白もなく、黒もなく、ただ、純粋に音楽を愛している人達同士がお金を出し合えば、それも幸せの形じゃないのかな?
「コピーだ!」「パクリだ!」「てめぇの貰った金は、本来、俺の金だ!」とか、言ってる場合じゃないと思うんだ、究極的には。
 
 
音楽のプロって、結局、一体何者なのか。
いつの時代も繰り返される疑問が、また噴出してくるだけなんだろうけど。
こんな理想論、何の意味もないのかもしれないけど。
自分のBlog中ぐらい、奇麗事の塊で終わらせちゃっていいんじゃないかと思う。
 
 
余談。
先日も言ったけど、今、カラオケに行っても歌う歌がない。
まぁ、ボーカロイドの曲なんて、ろくろく入ってないし、最近、歌いたい曲がボーカロイドのオリジナル曲ばっかりなんだから、仕方ない話なんだけど。
でも……なんで、私は、カラオケシステムをとっ外して、MP3プレイヤーをスピーカーに強引につなぎ、問答無用で「歌いたい曲」を歌わなかったのだろう?
楽曲の持ち込みって、禁止されてるんだろうか? 著作権法的に上演権の侵害になる気配はするんだけど(笑)。

シンポジウムの要約

ストリーミングを記録する仕掛けを持ち合わせていなかった上、メモを取るどころか、コメント欄ではしゃいでいたので、話を聞いていない部分もあったり……ニコニコ動画に、中継風景がUPされたら、要約をまとめようかと思ってたんだけど。
仕事の早い人がいた。
 
緊急シンポジウム「ダウンロード違法化の是非を問う」の様子(日本違法サイト協会 ブログ)
 
主旨としては、これで、ほぼ全部と感じます。
 
シンポジウムは、文化庁に対する疑問点・経済面や技術面からの反論など、既に私もこのBlogで説明したことだけでなく、全く別の視点から説明したものもあって、私も勉強になりましたが。
それだけにとどまらず、「池田先生、大暴れ」「今日からMIAU文化庁のパブリックエネミィに指定されましたwww」って感じで、非常に放送自体が面白かったので……動画投稿サイトにUPされたら、また紹介します。
 
(追記)
昨日のストリーミング放送中、コメント欄に「(ダウンロード違法化の影響って)建築基準法改正後の、建築不況のようなものですね」って要旨の発言があって、その時はピンと来なかったんだけど。
その発言者なのかな? エントリがあがってた。
 
実施困難な法の起こすもの(egoscope)

建築士姉歯氏の構造計算書偽造事件などからはじまった設計への不審を拭うために行われたはずの建築基準法改正によって、日本経済が大ダメージ(11月時点での着工件数が昨年同月比で3割減)。まさに官製不況

なるほどー。
 
(追記)更にばっさりと、趣旨だけ要約すると、こう。
MiAU緊急シンポジウム行ってきた(YaSuYuKiの日記(nicovideoミラー) )