パブコメ一週間前から、さっぱり音沙汰のないように見える、MIAUですが。
以前、参加を呼びかけてた、協力会員向けのSNSサービスが開始されました。
現在は、
「地上波デジタル放送の録画形式、あるいは、ダビング10の落としどころってどこだろ」とか、
「NHKに、かぐやのハイビジョン・デジタルデータをネット公開してもらえるよう頼み込めないか」とか、
「Google八分を、MIAUから抗議できないものだろうか」とか、
色々、意見を出して、検討していますが……SNS始動直後で、なかなか話が進んでなかったり。
で。そこの雑談所でも話題にされてた話。
著作権法改正巡る2つの対立・「思いやり」欠如が招く相互不信(IT+PLUS/岸博幸)
コンテンツの権利者とデジタルやネットの関係者が手を取り合って新たな未来を作るしかないのではないか。自分の立場だけを考えた不毛な反対や批判を続けて相互不信を増大させるような時間的余裕はない。
むむ。
MIAUとしても、反対、反対と、ただ繰り返してるだけでは、不毛な争いにしか見えないか……。
……って、全然違うわーっ。
さっきも書いたし、前にも書いたけど、MIAUはダビング10の落としどころを探そうと、「結局何が始まりだったのか」から模索してるし。
「JEITAやMIAUは制度変更に対する反対や批判ばかり」と言ってるけど、だったら、JAITA提案のEPN方式を採用しようとしていた動きは、一体、何だったのかと。
元々、MIAUは完全に手遅れ状態から立ち上がった組織。
「Yesか、Noか! 11/15までに決しろ!」と、ショットガンをつきつけられてる状態だったのに、「第三の選択肢を話し合おうじゃないか」なんて言ってる暇があったかどうか? こっちが言ったとしても、相手は交渉のテーブルに付くつもりはなかったでしょう?
コピーワンスを誰が言い出したのかも、その目的も、うやむやになってる状態だったのに、「だったらダビング10ならOKだろ、OKに違いない、さぁOKと言え」と胸倉捕まれた状態からスタートさせられたら、とりあえず、乱暴にぶん殴って、もう一度、相手をテーブルにつかせるのは仕方ない話でしょうに。
そもそも。
「その収入が激減するのを放置したらどうなるだろう」と、明らかに既存権者の立場で書かれているが。
ここに至って、なお、現行のビジネスが、ネットのダウンロードによって壊滅的な被害を受けている、という数値的根拠がどこからも出てこない。*1
記事の中にも、その後に「クリエーターの側も、環境変化に対応した新たなビジネスモデルを追求すべき」と続けているように、それでダメになってしまうクリエイターに問題があることにも言及しているが、人は容易に変われないもの、ってことで軽く流している。
これがフェアな中立的意見だと言うのなら、MIAUはテロリストで構わない。
いや、まぁ、パブコメ書いてる時期から、「無料ダウンロードを主張するユーザーと、有償ダウンロードを主張する権利者側の、既得権者同士の争い」とか言われてたんだけどー。
ちと、酷いね。
−筆者紹介−
岸 博幸(きし ひろゆき)
慶応大学デジタルメディア・コンテンツ統合研究機構准教授、エイベックス取締役
……。
あ゛ー。
MIAU関連でおまけ。
livedoorニュースの連載記事、続きの紹介を忘れてたので、まとめて紹介。
【MiAUの眼光紙背】第1回:MIAU設立の経緯と、MIAUが目指すこと(白田秀彰)
【MiAUの眼光紙背】第2回:「違法サイトからのダウンロード違法化」は、何が問題か(津田大介)
【MiAUの眼光紙背】第3回:未来は見えているか?〜歴史が教えてくれる著作権法の怖さ(中川 譲)
【MiAUの眼光紙背】第4回:著作権と、表現と情報(筆者不明 → 北島哲郎氏だそうです)
下記、第三回から引用。
そういう批判をする権利者がいる一方で、アニメ『涼宮ハルヒの憂鬱』のDVDは、まったくテレビ放映されていないアメリカで、合計7万本以上が売れた。ユーザーが勝手にアップロードした動画が、宣伝・広報として有効に機能したからだ。動画投稿サービスは、権利者にとって都合が悪いことばかりではない。ユーザー主導型の動画投稿サービスを上手く利用して、きっちりとしたビジネスに結びつける方法は、必ずある。
……こういう方面では、すんなり数字が出てくるんだけどなぁ
*1:私が単に見落としてるのなら、是非、資料をご教授願います