ツッコミどころがない

先日のシンポジウム要約が素晴らしかった日本違法サイト協会 ブログ」さんですが。
今頃になって、「活動内容」を読んでみた。
 
違法サイトとは(日本違法サイト協会 ブログ)

違法サイトから身を守るために
ダウンロードといっても、インターネットでウェブサイトを閲覧する場合、サイトを開いた瞬間に著作物は表示されます。表示するためにコンピュータはサイトから著作物を受信していますから、この時点でダウンロードは成立しています。つまり、これが違法とされると、わたしたちは、いつ何どき違法行為に手を染めるか分からない状況に陥ります。
小委員会では、「情を知って」「違法サイトから」ダウンロードをすることを違法とする方向で議論が進んでいます。「情を知って」とは、そのサイトが無断で他人の音楽や映像を公開していることを知っていながら行なう、ということです。普段違法サイトでないサイトがある日突然違法サイトになって、それをたまたま見てしまったとしても、違法とはみなさない、ということです。逆に言えば、「あのサイトには違法な音楽や映像がある」という評判があることを知っていながらそのサイトを開くことは、違法にみなされる可能性があるのです。小委員会のとおりに法律が改正されたら、そのような評判があるサイトには近づかないことが賢明です。

なるほど、確かに、違法サイトのダウンロード違法化が成立すれば、自衛のためには、「そのような評判があるサイトには近づかない」という、極めて消極的な手しかない訳ですね。

当協会における「違法サイト」の定義
文化庁が2007年11月に発表した「私的録音録画小委員会中間整理」の定義である「権利者に無断で著作物等が送信可能化されたサイトや個人のパソコン」という文言を解釈した結果、当協会では過去に著作権侵害を行なったことがあるサイトを違法サイトと認定します。過去に著作権侵害を行なっていたことは風評や報道によって明らかになっていますので、これらサイトを面白半分に見に行くことは「情を知って」に相当すると考えるからです。

あー。
確かに、面白半分でも、過去に著作権侵害を行なっていたことが明らかなサイトを見に行けば、それは「情を知って」と指摘されてもやむなしな気がします。
 
「違法コンテンツがあるかどうかなんて、行かなければ分からないよ!」と言われるかもしれませんが。
そんな、前科のあるサイトに行くこと自体、「また、何か、違法コンテンツがアップロードされてるんじゃないの?」と期待して出かけたとみなされても、仕方ないかもしれません。
もちろん、みなされないかもしれません。でも、それは、裁判官が決めることです。その際、立証責任は、検察側だか、著作権者だかにあるので、なかなか証明は難しい話かもしれませんが、それでも、何度も何度もそのような前科サイトを見に行くようでは、言い訳が難しくなることは創造の範囲内ではないでしょうか。
 
ここまで、何か、ツッコミありますでしょうか?
違法サイトの定義を、前科のあるサイト、と置くのは、確かに三者団体「日本違法サイト協会」殿だけかもしれませんが、それほど、突拍子もない判断基準ではないと思うのですが、どうでしょうか?
まぁ、確かに一度でもミスったら前科サイト、というのは厳しすぎると思いますが、そこは、報道によって明確な著作権侵害の記録があるのならば、妥当と思ってもいいのではないでしょうか。
 
 
で、同協会の認定した違法サイトについて。
とりあえず、一件が認定サイトに挙がっています。
 
 
認定違法サイトの紹介(日本違法サイト協会 ブログ)

1. 文化庁
(中略)
本サイトは2005年5月24日に「著作権契約書作成支援システム(以下、「システム」という。)」を公開した。これは、「著作物の創作や演技・実演を職業としない人や、著作物の利用を職業としない人が、著作権契約における書面作成を行う際に支援するためのシステム」である。
公開直後、システムに使用されている画像が、Apple社が著作権を有するMac OS Xの画像と同一であることが明らかになった。これは明確に著作権法第23条違反である。
事態が発覚した後、文化庁はシステムを本サイトからいったん削除し、Apple社に謝罪して本件について不問とする旨の回答を得たとされている。
文化庁において著作権について最も精通するのは長官官房著作権課であることが、名称等から推定されるところ、その最も精通している部署が著作権法違反を犯していることは、文化庁著作権に対する意識が極めてお粗末であることを露呈しており、今後本サイトのどこにどのような著作物が無許諾でアップロードされるかについては予断を許さない。よって、当協会は本サイトを違法サイトと認定し、本サイトの閲覧は今後著作権法違反になりうることを警告する。

 
……まぁ、否定の部分は全くありませんな。
 
 
 
てことで、明日の夜になりました。
シンポジウム「ダビング10について考える」開催のご案内 MIAU

日時
2008年1月16日(水) 18:30-20:00
 
場所
世田谷文化生活センター(キャロットタワー内)5F セミナールーム