生贄

注意:このエントリーは、以前から私が言っていることと比較すると、ダブルスタンダードな内容です。冗談と思って読んでください。
 
パブリックコメントの締切まで最後の土日、ってこともあって、あーじゃないこーじゃないと文章を書いてはいるが、ついついニコ動を見に行ってしまったりしてしまうのは、逃避癖がつきすぎ、というもので。
なんとか下書きを書き終えた時点で、雨の中をわざわざ外出したのも、逃避癖の延長なのだろう。
 
さて、本屋にたどり着き、適当に新刊を眺め、「DTM MAGAZINEが転がってたりしないものか」と冷やかしにパソコン書籍コーナーをうろつくと。
「無料ダウンロード」だの「タダゲー」だの「ぶっこぬきダウンロード」だの「DVDコピー活用術」だの、毒々しい色の雑誌が並んでいる。
いくつかの雑誌では、ダウンロード違法化について話題に取り上げ、真の狙いはP2Pソフトの撲滅ではないか、とまで書いていたが、きゃーきゃー喚いているだけで、今後の対策やパブコメのことは紹介していなかった。
目次周辺を見てみると、付属のソフトや記事の内容で、何か違法行為をしてもそれは自己責任です、というのが雑誌のスタンスらしい……結局、この雑誌の人らは、ダウンロードが違法化されても、何も変わらず、違法行為のHowToを紹介し続けるのだろう。
 
ふー。
私が書いてるパブコメって、結局、こういう人達を助けてるだけなんだろうか。
 
……。
待てよ。
 
私が、以前からMIAUに期待してる……自浄能力の話。
パソコン初心者に、違法ダウンロードの手ほどきをする、一般書店にゴロゴロしてる雑誌……これを、生贄として差し出せないだろうか?
 
先日から勉強していた、間接侵害について……まず、商標法の第三十七条 八項は、こう。

登録商標又はこれに類似する商標を表示する物を製造するためにのみ用いる物を業として製造し、譲渡し、引き渡し、又は輸入する行為

で、著作権法には間接侵害の規定があるんだけど、ベースとして扱えそうな、第三十三条 二項にはこんな文書がある。

著作者人格権著作権、出版権、実演家人格権又は著作隣接権を侵害する行為によつて作成された物(前号の輸入に係る物を含む。)を、情を知つて、頒布し、若しくは頒布の目的をもつて所持し、又は業として輸出し、若しくは業としての輸出の目的をもつて所持する行為

ここで、この二つを合わせて、著作権法に間接侵害の項目があったらと仮定して、商標法の内容を書き直すとこうなるんじゃなかろうか。

著作者人格権著作権、出版権、実演家人格権又は著作隣接権を侵害する行為にのみ用いる物を、情を知つて、頒布し、若しくは頒布の目的をもつて所持し、又は業として輸出し、若しくは業としての輸出の目的をもつて所持する行為

これだと、いくら「違法ダウンロードは自己責任で」とか注意書きしてても、明らかに「情を知って」頒布してるんだから、さすがに言い逃れ出来んのじゃなかろうか。
 
これにより、一般書籍から、違法ダウンロードのHowTo本が消え去り、初心者が違法ダウンロードに手を出しにくくなる……確かに、真のアクティブユーザーにとっては、こんなHowTo本は買わなくても、Webから情報を手に入れればいい訳なんだけど、「間口が狭くなること」「それがやっぱり違法なんだよ、という周知」はできる訳で。一定の評価は得られると思う。
今の環境は、モラルハザードを招いているだけだと思うのよね。
 
……。
 
そうは言ったけど、この書き換え後の間接侵害の文書、何かとマズいんじゃないかなぁ……。
法制問題小委員会の中間報告、もう一回、読み直しておくか。喉元にナイフを突き立てられてるような気がしてならない。
 
(追記)
録音録画小委員会の中間整理のように、「録画・録音に限る」とかにすれば、逆に絞め殺されることはないのかなあ?