やらない善よりやる偽善では、意思ある者に利用されるだけ

でも、今日は利用されておこう。
 
はやぶさ、後継機の予算3000万に縮小…着手できず(読売新聞)

宇宙航空研究開発機構は後継機「はやぶさ2」の計画を進めている。文部科学省は昨夏、今年度予算の概算要求に17億円を盛り込んだが、政権交代を受けた予算削減で3000万円に縮小。製造に着手できなかった。
はやぶさ2は、目標とする小惑星と地球の位置関係などから、2014〜15年に打ち上げないと、次の機会は10年以上も先になる。来年度には製造に着手しないと間に合わない。川端文部科学相は11日、「(はやぶさの実績が)次につながるようにしたい」と述べた。
ただ、財政状況は厳しい。宇宙開発の今年度予算は3390億円で前年度比2・6%減。今後も大幅増は見込めない。はやぶさの快挙をどう生かすのか、注目される。
(2010年6月14日 読売新聞)

民主党め、仕分けしやがって!」というのは間違い。
 
自民党政権の時代から、はやぶさ2は、予算を貰えてない。
あんまり貰えないので、JAXA自身も、はやぶさ2予算を捨て駒にして他予算を優先する始末

「はやぶさ2」その1:来年度予算折衝の結果松浦晋也のL/D)

2007.01.08
はやぶさ2」予算化の話だ。メール投稿を呼びかけた手前、これを書かないわけにはいかない。
昨年末、予算案が出た。
予算要求約5億円に対して、2007年度予算で「次世代小惑星探査機」の名目で5000万円が付いた。
要求の1/10だ。この額をが出てくるにあたっての経緯は、私が聞いた限りにおいて以下の通り。
JAXA財務省の折衝の過程で、一度「はやぶさ2」予算はゼロになった。JAXA側が財務省に出す要求において、自発的に落としてゼロにした予算案を提出した。
文部科学省が「はやぶさ2」予算を得るべく、財務省とねばり強く折衝した。
・しかしながら、一度JAXAが自発的にゼロとしたものを復活させるのは至難の業で、結局次世代小惑星探査機という名目で5000万円が予算化された。
これをどう解釈すべきか。
JAXAは、「はやぶさ2」に4番目の優先順位を与えていたが、実際問題として財務省との交渉過程で、取引の材料に使うための捨て駒として考えていたらしい。一端引っ込めたというところからし、「はやぶさ2の予算を引っ込めますから他の予算を通して下さい」という形で利用しようとしたと解釈するのが合理的である。

 
敵はあくまで、財務省
財政再建というマスコミの後押しの下に、自分の仕事をちゃくちゃくと進めている、決して悪いことやってるんじゃないんだけど、正しいこともやってない省庁。
 
とはいえ、宇宙探索なんて、デフレ不況が終わった後でもいいよねぇ、と思うかもしんないけど。
そんな訳でもない。
 
はやぶさリンク:はやぶさ2の現状について松浦晋也のL/D)

まず、来年度に実質的な開発に持ち込めなければ、はやぶさ2は消滅する。2014年打ち上げが絶対条件となるので、機体開発期間5年を考えると、来年からの着手が必須になるためだ。
2014年の次の打ち上げチャンスは2020年。ところが、2020年の打ち上げウインドウは条件が悪い。2014年と同程度に条件の良いウインドウとなると、2020年代後半となってしまう。
その一方で、欧州と共同で進めようとしていた「マルコ・ポーロ」(はやぶさMark2)も、主に欧州の財政難が原因で頓挫している。2017年打ち上げはほとんど消滅状態。つまり「はやぶさ2がなくとも、マルコ・ポーロがある」とはとても言えない状態だ。
はやぶさ2が消滅すると、はやぶさをきっかけに育ってきた国内の固体惑星系の科学者コミュニティが事実上消滅する。探査機は科学者コミュニティの核だ。これがなければ、論文を書けず、業績を積み上げることもできないので、研究者は他分野に散っていくものである。
このあたりは分かりにくいかもしれないが、例えば、固体の惑星を探査する機体であっても、例えば金星探査機「あかつき」は惑星大気を研究するための探査機である。固体惑星系とは専門が異なる。もちろん搭載しているセンサーの用途も違う。単純に「あかつき」があるから固体惑星の研究者も大丈夫とは言えない事情がある。
もちろん、JAXA、メーカー、研究者の3つに渡る人材、開発した工学的技術、運用経験のノウハウなど、1990年代からはやぶさの開発と運用で、積みかさねてきたものも四散し、これでおしまいとなる。
来年度概算要求(宇宙開発戦略本部発表:pdf)に、「はやぶさ2」の文字はない。つまり、予算要求時点で、まだプロジェクト化されていない。しかし、これで終わったわけではなく、関係者はまだ粘る方策を探して動いているとのこと。
例えば、実質的な開発開始に持ち込むという手段が考えられる。

つまり、この夏の概算要求で、「はやぶさ2」の予算を獲得できるだけのJAXAへの支持が集まってなければ、「はやぶさ」の努力は次世代に繋がらない、時代の徒花として完結してしまう訳で。
 
まず、現在の「はやぶさ2」の状況が分かってもらえただろうか。
以前、JAXAが弱音を吐いているとか書いたけど、その時点から、なんっにも状況が改善していない。
 
で、何が出来るのさ、っての、色々考えてるんだけどー。
 
とりあえず、明日ぐらいにBlogで、「日本の借金体質とギリシャの借金体質は天地の差」「インフレ期に備えたデフレ期における財政出動のあり方」辺りを説明して、財務省の横暴と、マスコミの無責任っぷりと、その2つの言いなりになる政府、という話を書こうかな、と。
 
それはさておき、
はやぶさ2予算増額の嘆願署名(署名TV)

はやぶさ2に御賛同頂ける皆様からのご協力をお願いします。

私、署名TVなんて初めて知ったサイトなんで、無駄かもしんない、害があるかもしんない。
でも、紹介だけはしておきたいと思ったので。