河野太郎が売国奴? 本当か?(5/30 20:30追記)

J-NSCの設立案内動画を見てても、なんか、河野太郎だけは嫌いだ、というコメントがある。
 
本当か? どうも、河野氏のBlog見てると、そんな気配を感じないんだが。
あんたら、マスコミに釣られる国民を笑いながら、ネットの噂に釣られてないか?
あんた達が嫌っているはずの人達が差し出したスケープゴートに釣られてないか?
 
ちと調べてみよう。まずは2chでゆく見るコピペをベースにおっかけよう。
問題点は下記か。 
 

  1. 国民が知らない反日の実態 - 売国議員リスト(http://www35.atwiki.jp/kolia/pages/119.html)でも売国認定してる!
  2. 世襲だろ? 河野洋平の息子だろ?
  3. 国籍法改悪の首謀者だ! 二重国籍推進派だ!
  4. 外国人参政権賛成派だ!
  5. 去年の夏のパンフレット配布を捨てたと言っていた! ネットに非協力的だ!
  6. 靖国神社に代わる慰霊施設建設に賛成してる!
  7. 恒久平和議連参加。中国には自虐史観を示すのに、日本人相手には苛烈。
  8. 偉そう

 

1.国民が知らない反日の実態 - 売国議員リストでも売国認定してる!

河野洋平の息子、二重国籍推進、国籍法改正案推進、移民1000万人受入推進、恒久平和議連……これを順に検討すればいい訳ね。
「理由なんて関係ないよ、売国議員リストに載ってれば、とにかく、売国議員なんだよ」という方は、議論が進みませんので、他のサイトを当たってください。

2.世襲だろ? 河野洋平の息子だろ?

まさか「××の息子だから、その発言は聞くまでもなく信用ならん」と言う人はいないよね?
親の因果を子に報わせてどうするのよ。
 
ただ、父親と選挙区はダブってるぽいんで、「父親と思想も一緒」と有権者が勘違いしてるのは、あるかもしんない。
けど、それ、マスコミに誘導されることを馬鹿にしているネット民も同じ考え、ってのはどうよ。

3.国籍法改悪の首謀者だ! 二重国籍推進派だ!

まず、国籍法改悪って、何の話だか説明しますと。
「日本人男性に認知してもらうだけで」「婚姻関係の無い外国人女性との間にできた子供に対しても、日本国籍を与えることができ」「その母も条件を満たせば日本国籍を与えられる」ってものです。
 
もともと、最高裁違憲判決が出る→判決を受けて法務省が改正案を作成→法案を麻生内閣閣議決定し国会に提出、として出来たもので、河野太郎氏がいようがいまいが、ここは流れ作業。
ここを責めるのなら、河野太郎氏ではなく、首相の麻生太郎氏を叩くのが筋。
ただ、なぜか異様にスピード決着してて、何が問題なのか与党議員にも周知出来ていなかった、というのはある。陰謀論的には、このスピード決着には注目してもいいぐらいなレベル。
 
で。
じゃあ、河野太郎氏の名前がどこに出てくるのかというと、2008年当時、国籍問題に関するプロジェクトチームの座長だった辺り。
「やっぱり、犯人はこいつか」と思うのは、あまりに早すぎる。このチーム、何を審議していたかと言うと、ノーベル賞受賞者二重国籍問題だった。
キーになったのは、ノーベル物理学賞受賞が決まった南部陽一郎氏。この人、米国に帰化してる。だから、日本人じゃない。
でも、「法律的に日本人じゃない、ってどうよ」「そもそも日本人と外国人の子供がどちらかの国籍を選択しなきゃいけないって、なんで?」
……という議論が出てきてた。
 
大元正すと、1985年の国籍法改定で、生まれつきの二重国籍者は22歳までに自分の国籍を日本に対して宣言する義務が出来た。
けど、「私、日本人です」と宣言しても、日本国が外国に伝達してくれる訳じゃない。外国政府に「国籍を消失させてください」と言わない限り、日本的では多重国籍じゃないけど、実は二重国籍です、ってのが罷り通っていた。
日本的には筋が通ってなくて問題かもしれないけど、重国籍を認めてる外国では「それがどーした」レベルの話だから、話がヤヤこしい。
つまり、現行の制度には大穴がある。そこを塞ぐためにも「二重国籍を条件を付けて容認して、見通しをすっきりさせようよ」って話が出てきた。
もちろん、重国籍のメリットとして複数国の国民としての権利を持つ一方、デメリットとして義務が発生する。兵役の義務のある国籍と、平和憲法の下にある日本国籍を持つ国民が出てきたら、日本政府的にどうするよ……プロジェクトチームでは、そういう議論をしていた。
 
まぁ、いつもの話で、色んな意見はあるだろうけど、議論する場は必要だね、ってのは納得してもらえる話だと思う。
結局、日本が重国籍を認めるには至ってない。
 
ところが誰かが言い出したらしい。
このプロジェクトチームが、国籍法改正案を提出した、と。
しかも、どーーーも、国籍法改正案と二重国籍の検討を、ごっちゃにしてる人までいる。確かに、二重国籍に関する私案を河野氏も作ってるけど、それって、逆にやってなかったら、座長としてどうよ。
 
しかし、前述のように、国籍法改正案と二重国籍の検討には関係がない。
河野太郎売国奴、だって国籍法改悪の首謀者だもの、なんて書いているサイトは、いい加減、ソースの再点検をした方がいい。
 
ちなみに、河野太郎氏は、国籍法改正でDNA鑑定義務付けを推進してたぐらい。
実現しなかったのでソースは、氏のBlogにしかないが
 
でー。こっから陰謀論
どーも、いけいけごーごーと、当時、改正案を支えたのは、公明党っぽいんだよね。ソースは確認中。
もしかして、河野太郎って、創価学会スケープゴートにされたんじゃね?
そうすると、陰謀論的には、河野太郎売国奴説を唱える人は、創価学会のエージェントってことなんだよね。
 
ちと、下調べ続けてますが「創価学会の手先扱いされた!」と反発せずに、調査をお勧めします。
ソースを示して、「ほら見てみろ、やっぱり国籍法改正案を作ったのは河野だよ!」って教えてくれると本当に助かります。そんなソース、見当たらなかったから、こんなエントリーを書いてるので。
逆に、公明党創価学会が、2008年の国籍法改正の立役者と書いてるサイトは、ざらざら見つかる。実は先の国民が知らない反日の実態にも書いてある
河野太郎氏と公明党の仲がいい、って話も、出てこないんだけど、この辺、「河野太郎はいらない」とか言ってる人、どう考えているのか。

4.外国人参政権賛成派だ!

やっぱり創価学会、絡んでないか? なんでこんなデマが流れてる?
この人、朝日新聞のアンケートすら、外国人地方参政権反対と書いてるんだけど。
テレビでも、選挙権が欲しければ日本に帰化しろ、と言ってるんだけど。

5.去年の夏のパンフレット配布を捨てたと言っていた! ネットに非協力的だ!

TVで言ってた
だから、何。
これは「議員全体のコンサンセスも取れてないパンフレットを配らされていたのか」と党内不一致を問題にすべきであって。
なぜ「民主党批判という前例のない博打的なパンフレットに頼らなかった」河野氏自身が筆頭で批難されるのか。
 
自分達の努力を否定されたのは悔しいけど、方法論の違う相手を逆恨みに売国奴にするのは、話がズレている。
 
あと、「Blogのコメント欄を大量削除した」「反論封殺した」という話もあるけど。
何度説明しても、3の誤解に基づく凸コメントが溢れるような状況で、どうしろと……いや、コメ欄閉じたら、より炎上するだろ、というのは、そりゃそうだけど。
でも、この件で、ネットに対して好意を失ってしまい、パンフ破棄に繋がった、というのは不思議ではないのよね。

6.靖国神社に代わる慰霊施設建設に賛成してる!

試しに、麻生太郎氏の靖国に関する私案を見てみることを勧める。
これ一つで、麻生太郎氏を売国奴にするのは、馬鹿げている。河野太郎氏の場合も同様。

7.恒久平和議連参加。中国には自虐史観を示すのに、日本人相手には苛烈。

事実。以上(笑)。
どうみても、民主党主体の自虐史観研究団体です。6と逆に、これ一点で、売国奴認定されて不思議じゃないぐらい
なんで名を連ねてるんだろう。
 
えーと、「日本人相手には苛烈」って、こんにゃくゼリーの話?
消費者庁発足のキーとなった事件ですな。自民党消費者問題調査会で河野氏が「注意書きぐらい書けよ」みたいなことを怒声混じりに言ったみたいだね。
……えー。それで日本人には厳しい、って話に繋げるの?
調査会での動画、確認しないと前後の文脈が分かんないな。議事録無いかな。

8.偉そう

偉そうってのは、昨年の衆議院戦後の総裁選で、かなり他候補者を攻撃してた辺りから。
「全員野球は断固反対だ。よい自民党と切り捨てる自民党を明確に分けることが総裁選で私に課せられる使命だ」とか「2010年の参院選は、候補者を一新させて、新生自民党をアピールすべきだ」とか主張してた。
言ってたんだけど、賛同者が足りなくて、総裁選には出れなかった。
 
これ売国か?
5と合わせて「人間性が気に入らない」でいいんじゃない?
 

現時点のまとめ

河野太郎氏を売国奴認定しているサイトの中身は丸呑みするな。
なお、決して、全否定してる訳じゃなくて、「根拠を調べなおせ!」と言ってるだけ。
ちなみに、5.6.7.8でアウト、支援したくない、ってのは、アリだとは思います。7.はヤバいね。
 
ちなみに、麻生太郎は部落差別論者、って人もまだいる?
随分昔に調べて書いたけど、これもすげー怪しい話でねぇ……。
  

2011/3/19追記

随分前のエントリなのに、今でも「河野太郎 売国奴」辺りで検索して、やってくる人がいる。
しばらく経ってみると、自分でも読みづらい・分かりづらい表現があったので、少し文章を整えました。「前に見たのと違う! 魚拓も取ってる! 比較して見ろ」とか言わないで(笑)。
 
さて、やっぱり売国奴認定の件、見る限り、恒久平和議連参加じゃなくて、国籍法改正の方がキーっぽいんだけど、これについて、ニコニコ大百科の記述を引用してみよう。
 
河野太郎ニコニコ大百科

こうした動きの中、国籍法の審議が行われる日にちの近くに、たまたま、河野太郎が座長を勤めている「二重国籍プロジェクトチームについての私案」をブログ、およびmixiで公開したため、これをソースとして、今回の「国籍法」とは全く関係がないにも関わらず、某CS番組は、河野太郎をこの「国籍法改正」の首謀者であり、売国奴であると名指した。同番組において、元弁護士で法務・自治団体副委員長である牧原議員が「聞いていない、知らなかった、これは問題だ」と言った主旨の発言をしたことから、それに説得力が生まれた。

某CS番組って何だろう。
……「チャンネル桜」か。Youtubeに動画も残ってるな。
あまりの速攻審議に、ソース確認もおろそかに撒き散らしたか。
 
やれやれ、マスコミに釣られる国民を笑いながら、チャンネル桜の間違いに釣られて煽ってる人がいるのか……。