もう一度、間口を広げたい、という心意気

Xbox360に今時、新規のシューティングを出そうという心意気で作られた「カラドリウス」について、メーカーのMOSSへのインタヴューがあったので、紹介。
 
シューティングゲームの未来に芽吹く種を植えたい。「カラドリウス」に込めた(脱衣だけではない)思いを開発スタッフに聞いた4gamer

モスの名がプレイヤーに知れ渡ったのは,2005年リリースの「雷電III」だと記憶しています。セイブ開発を離れた駒澤さんが,10年以上の空白を置いて再び雷電を手掛けることになったきっかけは何だったのでしょうか。

まず、MOSSって会社。
昔々、セイブ開発ってメーカーが、「雷電」ってシューティングのシリーズを作ってたんですが、そこのスタッフが独立してMOSSを設立。
で、セイブ開発が、あんまり経営が思わしくなくなっちゃったタイミングで、シリーズの版権を引き継いで「雷電III」「雷電IV」を作ってます。

4Gamer
 羞恥ブレイクのアイデアはどこから出てきたんでしょうか。シューティングゲームと脱衣がどう結びついたかには非常に興味があります(笑)。

駒澤氏:
“脱衣”ではなく,あくまで“ブレイク”ですので,そこはお間違えなく(笑)。でもシューティングの歴史を紐解くと,クリア時に水着の女の子のグラフィックスが見られるといった,プレイヤーに対する“ご褒美”は昔からあったと思うんですよね。オールドファンの方には,彩京さんやビデオシステムさんのゲームを思い出してもらうとわかりやすいでしょうか。

4Gamer
 あぁ,いくつか思い当たるタイトルがありますね。

あ゛ー。
いくつか思い当たるわー。
 

駒澤氏:
 ここはまじめな話ですが,脱衣云々が先にあったのではなくて,シューティングをプレイしてもらうため,興味を持ってもらうために,どんな要素を入れればいいかを考えた結果が羞恥ブレイクなんです。 

私は、羞恥ブレイクとか、公表される前に予約してたんで。
ぶっちゃけ、ここの思惑の対象外の人です。むしろ、↓ の対象の人。

 そもそも,シューティングゲームのプレイヤーは,次のステージや武器のパワーアップの限界など,“この先が見たい!”という欲求からゲームを遊んでいたと思うんです。

 
で、下記辺り、なんか、私が、バトルガレッガをプレイし始めた時のような印象を感じる。

駒澤氏:
 数字だけを考えれば,若干後悔することになるかもしれませんが,それくらいの気概で挑まないとジャンルに目を向けてもらえないということですね。
 今回にしても,業界の人に「今度新作シューティングを出すんですよ」とカラドリウスを紹介しても「雷電の新作じゃないんですか?」と聞き返される。その裏には「雷電の新作のほうがよかったんじゃないの」という気持ちが織り込まれているんですよ。
 
4Gamer
 確かにそうかもしれませんね……。言った本人は意識していないかもしれませんが。
 
駒澤氏: 
 なので,「お,こっちもいいね」と言われる作品にしなくちゃいけない。もちろん,手間をはしょってゲームを発売することはできたし,そういった手法をビジネスとして否定するものではないけれど,今回に関しては,新しいものを作るというところにこだわりました。
 雷電ではできない,違った面白さのあるタイトルを,本当にしっかり作り込まないと意味がない。なので,これだけ時間がかかっているんです。
 
(中略)
 
駒澤氏:
 大きなことを言うようですが,カラドリウスでは“新しいスタート地点”を作りたかったんです。シューティングゲームの現状って,以前ヒットしたタイトルの続編を出す,あるいは別ハードへの移植や別バージョンを出す,という感じで……何をか言わんやですよね。
 私たちはここでそれをリセットして,新たな起点を作りたかった。もちろんカラドリウスは製品なので,売れてくれないと困るのですが,それ以上に「シューティングでも,まったくのブランニューがあり得るんだね」という,今後に芽吹く種を植えたかったということですね。幸い種を植えるところまでは行けたと思うので,あとはどう育てていくのかが課題だと思っています。
 
星野氏:
 僕の方からは,とにかく「気楽に遊んでほしい」ということをお伝えしたいですね。シューティングって,パズルと一緒で本来はカジュアルに遊べるジャンルなんですよ。それがいつの間にか,ゲームの中でも「一見さんお断り」みたいな,とびきりハードルの高いジャンルになってしまったと感じています。
 ですから,スコアや勝ち負けを気にせず,まずは自分の満足のいく範囲で遊んでほしいですね。2人協力プレイ時に,自機同士が近づくと弾消しバリアが出現するのも,そういった思いからです。アイテム欲しさに動いたら,バリアがなくなってミスしてケンカ,みたいなのもまたヨシということで(笑)。

バトルガレッガというのは、プレイヤーの行動で難易度が跳ね上がっていくので、腕に自信がない人ほど、とにかくパワーアップを取らず、とにかく隠しフューチャーで点を稼ぎまくらなければならない、って、攻略が凄く大事なシューティングなんですよ。
 
で、友人がプレイしているのを見てて、「あ、これは、難しいゲームだな」と感じてた時に。
「いや、難しいこと考えずに、好きなだけパワーアップとって、好きなようにプレイすればいいよ。クリアは出来ないだろうけど、2面ぐらいで終わっても、それはそれで」
とか言われて。
 
そういうものか、と遊んでみたら、これが面白くて。
2面より先が見たいから、難しくない稼ぎはやってみるか、と試し始めて。
結果的に、クリアはできなかったんですが、アーケードでも6面を見るぐらいには遊べるようになった。
セガサターン版では、残機が増えるのを100万点ごとではなく、50万点ごとに切り替えて、カジュアルに遊んでました。
「自由」大事。
 
ってことで、来週発売のカラドリウスに期待してます。
 
 
しかし、ドラクエ10でも聞いたような、間口を広く、って話が何度も繰り返されるインタヴューだなぁ……。