TRPGにおける魔法

ほぼ、ほかほか亭さん向け。
  
アルシャードは、「FEAR系」と呼ばれるTRPGシステムのひとつで、再現世界イメージはFFですよ。
FEAR系の特徴として、「神業」と一纏めにされる、回数限定の大技を使えるようになっており、データ的には、ほぼ「神業」の扱いだけで勝負が決まります。
元々、(漫画で言うところの2ページ見開きみたいな)一撃必殺の決めシーンなどを再現するための「神業」だったんですが。
最近は、
「神業どっかーん 50ダメージ」「ボス直撃。軽症ってとこ」「バカな、俺の必殺技が効かないのか?」ならともかく。
「神業どっかーん 50ダメージ」「ボス直撃。軽症ってとこ」「ほい、少し削ったよー、次の人ー」
という、「神業」ありきのゲームデザイン+マスタリングになっちゃって、「どこで間違ったんだろう」と首をひねっています。
 
FEAR系の特徴として、PCに「戦闘」「情報収集」以外のスキル・スペルがないんですよ。遊びを作る余裕がない。
別に悪いことじゃないんです。元々の再現しようとしている世界がそういうものだから。
 
なんでこうなるかと言うと、FEARシステムはゲームマスターの負担軽減が目的なんです。
かつて、ゲームマスターは、プレイヤーを楽しませる為に、シナリオを作るだけじゃなく、セッションの運営を行いつつ、プレイヤーの我侭に対処してきました。
FEAR系は、プレイヤーの出来ることをシンプルにして、ゲームマスターの負担を軽減しつつ、探索フェイズで謎を暴き、クライマックスフェイズでボスと決戦する。そして、それぞれのキャラクターにあわせてエピローグを語っていく・・・その為には、プレイヤーの我侭につながる部分は極力排除して、マスターが自分の力量にあわせ拡大解釈をしてもよい、ということにしている。
 
セッション前に、シナリオ予告を行いシナリオの概要を伝えることで、プレイヤーに「俺の見せ場はこの辺だな」と感づかせる。
セッション前に、重要NPCとのコネクションと導入設定を選ばせることで、プレイヤーに「俺のキャラだと、この導入でシナリオに入ると事件に絡みやすいな」と判断させる。
システムとしては、最終目的を示すことで、予定していたクライマックスから、プレイヤーの行動が逸れて行かないように制御する。
 
「セッション運営を失敗しないTRPGシステム」。それがFEAR系です。
数々のセッションで、シナリオ途中崩壊をやらかしてきた私には、いや、今からTRPGを始めようとする人達にとっては、ありがたいシステムです。
 
ただ、「なにこの魔法。覚えさせられたけど、何に使うの?」と首を捻るような、へんてこ魔法が出回るような世界観じゃないんです。
 
じゃあ、そういう魔法があるゲームは?
えーと。D&D 3rdのような海外系。メイジ・ザ・アセンション、なんかは、魔法を自分で作ります・・・が、海外のものは、すごくセッションが失敗しやすいです。セッション自体始められない(マスターがシナリオを思いつけない、プレイヤーがキャラを作れない・扱えない、など)というものもあります。
さもなくば、グループSNEの系統。結構、なにこれ、って魔法が残ってます。ちょっと、具体例を挙げるとすると、なかなか難しいとこがあるので(最近、新作をリサーチしてないんですよ)、また日を改めて紹介したいと思います。
 
ちなみに。
私が今、おそらく最も愛しているのは、現代冒険もの「ブルーローズ」(スザクゲームス)です。
 
元々はインディ・ジョーンズや、スプリガンのような、秘境探検・オーパーツ争奪・古代遺跡封印などがテーマのゲームなんですが。
先日は、巨大な遮光器土偶を出して、両手を切り離して有線でコントロールして指からレーザーをばらまかせ、本体はエネルギージェネレーターを背中に背負わせてホバリング移動する、という古代から「足は飾りです。えらい人にはそれが分からんのです」と豪語する人がいたんだろうなぁ、という「オーパーツ」を出しました。
南極に、「歩く城」を探しに行って貰ったこともあります。
隕石が降ってくるのに対抗して、地表から岩石を打ち上げて迎撃する「メテオスシステム」という古代遺跡に向かってもらったこともあります。
アレクサンドリアの大図書館に忍び込んで、スケルトンの部隊と喧嘩してもらったこともあります。
巨大な宇宙人に対して、足からよじ登ってもらって、脳天のコアを破壊してもらった(当然、巨人は這い登って来るPCを振り落とそうとするが腕力で耐える)こともあります。
 
あらゆる、好き放題な思いつきのシナリオを用意しといて「オーパーツだから仕方がない」で済んでしまう、並みのファンタジーより、よっぽどファンタジーな世界が許される「ブルーローズ」が大好きです。
 
ブルーローズの冒頭にこうあります。
「途方もない ほら話は 好きですか?」
えぇ、もぉ、大好きですとも。
プレイヤー達の「はっはっは。マスター、こんなの出してきて、俺たちにどうしろって言うんだい?」っていう苦笑いと、「なるほど、確かにそうすれば止まるな、って、そんな無茶苦茶させるのかよ! いいさ、やってやるさ!」という開き直った顔も、大好きです。
 
では、年末にプレイした内容の1シーンから問題。
現在、エイリアンが追いかけてきているので、大至急、博士を発見する必要がある。発見が遅れれば、自分達の命だけではなく、人類全体が危険に冒される。
さて、2005/12/30 冬コミ2日目の13時頃、全ジャンルの同人誌を愛している博士をコミケ会場から探し出すにはどうすればいいか。
 
・・・私、こんなセッションやってますが、楽しげ?